KNOWLEDGE - 地道に積み上げている強みとノウハウ

アナリストはプランナーにとって「軍師」

ゲーム開発におけるアナリストの重要な役割

ナレッジ - 分析02

K.S:そもそもアナリストといってもいろいろな仕事があると思いますが、DeNAのアナリストの特徴は、「ゲームの開発時点から関わる」ところかなと思います。というのも、日頃ゲームの運用中に起こる出来事や、ユーザーさんの行動や声を分析しているアナリストが、その分析結果を活かし、予めゲームシステムに組み込んだり、パラメーターを設計することができるからです。Y.Mさんはアナリストとして、実際に関わったタイトルではどういうことをしていましたか?

Y.M:開発時と運用時でやることが異なると思っています。まず、開発時は「他社様がどういうゲームを作っているのか」「どういう人たちがそのコンテンツで遊んでいるのか」「どういう機能やパラメーターが受け入れられやすいのか」などの情報をキャッチアップします。運用時はそれらをセグメントに分割しつつ、「よりユーザーのみなさまが楽しく遊び続けられるものは何か」を考えます。フェーズごとに異なりますが、開発チームから提案されるユーザー体験やコアバリューをベースに設計していく、というのがおもな役割かなと思っています。

K.S:そうですね。DeNAのアナリストは、いろいろなタイトルを横断的に見ているのが強みで、そこから生まれたノウハウが共有できています。そのなかで、開発チームが実現したいことを設計に落とし込んでいく、というのがおもな業務内容だと思います。

S.K:プランナーから見ると、アナリストの方々は「軍師」のような位置付けだと思っています。プランナーがゲームの戦略を作っていくわけですが、ノウハウの詰まった軍師が、そこに対して明確なインプットをくれるんですよね。一緒に作っていくパートナーのようなイメージで、Y.Mさんは名軍師だと思いますよ。「こうしたい」に対して、「こういう道筋がある」と、どんどん提案してくれる。たとえばゲームのレベルデザインについて、「こういう体感をさせたい」と伝えれば、実際の計算式から相談に乗ってもらえます。開発中だと実際にそのゲームを遊べないこともありますが、見えないなかでも設計をして、プランナーと認識を合わせながら調整してくれるので、すごく助かっています。
もちろん、時には意見の食い違いはありますし(笑)、相性もあると思いますが、議論をしていて気持ちが良いんですよね。スポーツで言うと、ハイレベルな人たちと華麗にパスを回してゴールを決める感じで、その決まった瞬間がすごく楽しいです。議論ですから当然衝突しているのですが、「そういう考え方もあるのか」と気づかされて、お互いの意見をミックスしながら、とはいえ平均点にならないように進めていくのが楽しいです。

K.S:アナリストには客観的な意見を出すという側面がある以上、現場の開発チームからすると、距離を感じてしまう場合もあると思います。その関わり方もすごく重要ですよね。

Y.M:私はアナリスト側として、客観的な目線も必要ですが、ユーザーのみなさまに楽しんでいただくためには、自分も楽しいと思えていないとならないので、プロダクトを最優先に考えます。データ抜きのプレイ体感を大事にしていて、プレイ体感を元にデータを見て、自分の主観と定量的なデータの差分を確認し、俯瞰的に自分の考えを補足したうえで、「どうアプローチしていくべきなのか」「どういう可能性があるのか」を開発チームと一緒に考えています。

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K.S.:ちなみにY.Mさんは、超ヘビーユーザーですよね?

Y.M:そうです(笑)。

K.S:超ヘビーユーザーがゲームを設計して、難易度がすごく高くなってしまうと、ユーザーさんの期待を裏切ってしまう。市場において自分がどういうユーザーなのかを客観的に理解しつつ、体験もわかったうえで、ゲームの設計をしているんですね。

S.K:ちなみに、Y.MさんはCATANで世界2位ですからね (笑)。

一同:はいっ!?

S.K:Y.MさんはCATAN日本代表で、ベルリンに行って2位で、最後も運が良ければ勝てていたんですよね?

Y.M:まぁ、そうです(笑)。

一同:(笑)。

S.K:ただ、その天才的なひらめきや数式の組み合わせによってゲームがデザインされているというわけではなく、自分の経験も踏まえたうえで、開発チームが実現させたいものに沿った設計なんですよね。

Y.M:はい、基本的に体感は非常に重要だと思っています。データを見てアクションを起こすというプロセスはよくあることですが、データで検証できることは、実はほんの少ししかないと思います。データが必要なのは、「こういうものを作りたい」という感覚と現実が一致するかを見極めるときなんですよね。そこで自分のセンスを磨くためにデータを使っていく。あとは開発チームの目標達成のためにデータを用いてロジックを組み立てていくという感じです。

ゲーム開発においてアナリストに求められる素養

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Y.M:まず、「アナリスト」と「ゲームのアナリスト」は、明確に違うと思っています。ゲームならではものとして、「ユーザーみなさんひとりひとりに感情」がありますよね? ですから、ゲームが好きじゃないと難しい場合もあると思います。少なくともゲームが好きでプレイできるという部分は必要だと思います。あとは、数学やゲーム業界など、どれだけ知識や引き出しを持てているか、またその引き出しを応用して組み合わせることができるか、さらには応用部分を広げて思考停止せずに頑張ることができるかが大事です。

S.K:プランナーが期待するアナリストの役割としては、やはり客観的にタイトルやマーケットの状況を把握しつつ、タイトルがどの方向へ向かうべきかの戦略やプロダクトの設計に突っ込んで意見してくれることですね。

Y.M:難しい数学の知識が必要な局面もときにはありますが、それよりもビジネスやゲームをより良くするためにどうするかの方が大事になりますね。

S.K:なぜ面白いのかを言語化できて、それを実現するためにはどうするべきかを設計できる、という能力が必要だと思います。

Y.M:端的に言うと、「ユーザーのみなさんが設計通りのプレイ体験を実現できているか」を確認しています。ユーザーさんの状態が俯瞰的にとらえられるようなKPIを、担当のアナリストとプランナーが確認します。それを元に議論することによって、次のアクションが決まるので、その整理をする感じですね。そのうえで、初速などを見て設計のポリシーが合っていたのかどうか、定量/定性面で把握しながら、今後どう動いていくかを計画しています。

K.S:面白さをKPI化するのは難しいですよね。タイトルによって違うと思いますし、適切にKPI化しないと面白さは評価できないですからね……。「このタイトルの面白さはここだ!」と定義するときのコツとかあるんですか?

Y.M:うーん……、まぁ実際に自分でプレイして(笑)。

一同:(笑)。

S.K:基本的にはプランナーが、「そのタイトルをどうしたいか」というビジョンを作るんですよね。それに対して、アナリストは現状把握をします。現実はどうなっているかを教えてくれます。そうすると、うまくいっていない部分が如実に出てきます。そうして課題が生まれて未来の話になり、ビジョンに対してどういう道筋を立てるかという議論になるんですね。あと、アナリストの方々は、「こうした方が良い」という話をしてくれます。お互いが前のめりになって議論ができるので非常にポジティブですね。

K.S:DeNA全体について思うことですが、現状をきちんと受け止めてくれるプランナー、開発チームが多いです。「現状は理解したが、それはやりたいことと違うから」と真摯に受け止めたうえで議論してくれます。アナリストとしても働きやすい環境ですね。

S.K:そうですね、サービスやお客様へのコミット力が非常に高いと思います。「面白くしよう」という熱意がとてもあって、それは大変なことなのですが楽しいことでもあるんです。自分たちがめざすものをユーザーさんに提案してフィードバックを受けたとき、想定よりもユーザーさんが楽しんでくれたと実感できると本当に楽しいですよね。そこをDeNAのメンバーは知っているので、熱意で議論が発展していきます。DeNAならではですね。

FINAL FANTASY Record Keeper」(※1)への関わり

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K.S:Y.Mさんが参加されたのはリリース前です。レベルデザインというのは、最後の詰めになります。いろいろな機能を作ったうえで、「実際はどういう難易度にするのか」「アイテムのパラメーターはどうするのか」を調整するんですね。ここがズレただけで、それまでに作ってきたものがすべて無駄になる可能性があり、とても重要です。Y.Mさんはそこを一緒に設計してくれて、さらに体感確認もして詰めきってくれました。

Y.M:最後の1ヶ月でかなり変わりましたよね。

S.K:その1ヶ月は死ぬかと思いましたけどね(笑)。

一同:(笑)。

S.K:やはり体感は大事ですよね。いろいろなゲームをプレイするなかで、経験として個人に蓄積されているものなので、それを踏まえて楽しさの議論を行います。設計時に、「どういう体感にしたいか」をきちんと踏まえて計算式を組む、そこには一定以上のスキルが必要ですね。

K.S:Y.Mさんがすごいのは、数式で成長曲線を描く際に、随所にチェックポイントを設けて、そのチェックポイントごとにユーザーさんがどんな気持ちになっているかを想定している。その想像力がすごいんですよね。恐らくご本人が蓄積してきたプレイ体験が成せる技なのかなと思います。

S.K:そして運用が始まると、実際にプレイしてくださるユーザーのみなさんがいるので、そこに対しての熱量は自然と上がります。待たせるわけにも、期待を裏切るわけにもいかないので、運用後の方が圧倒的にコミュニケーションが増えました。毎日定量データを見ながら、定性的な体感を大事にしつつ、議論しましたね。

Y.M:運営時は、想定と違う部分も多く出てくるので、そこに対してどうアプローチするかが大切ですよね。現状を把握しつつ、軌道修正をしつつ、元々あるビジョンをどう達成するかを考えていかないといけない。そういうときはデータがとても良い判断材料になります。

S.K:運営が始まると、想定外のことが絶対起こりますからね(笑)。

プランナーとアナリストの理想的な関係

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K.S:もし、例えば「FINAL FANTASY Record Keeper」にY.Mさんがいなかったとしたら、どうなっていたと思います?

S.K:……売上が半分くらいになっているんじゃないですか(笑)?

一同:(笑)。

S.K:もちろん冗談ですけど、少なくとも、こんなにうまくいっていないだろうなと思いますよ。想像できないくらい影響は大きいですね。アナリストとしての分析能力や将来予測、レベルデザインの能力が高いことはもちろんあると思いますが、それ以上に、お互いにコミュニケーションを取りながら議論を深めていけるんですよね。私だけでもダメだし、Y.Mさんだけでもダメで、2人が揃っていたからこそ生まれたものが多い。Y.Mさんがいなかったと想像すると怖いです(笑)。

K.S:対等に議論していくなかで、良いものがどんどん出てきたんですね。

S.K:そういう関係性だったと思います。

Y.M:体感からロジックを組み立て、課題が生まれて議論していくなかで、S.KGさんは「ここが大事」ということをしっかり理解されているんですよね。その大事な部分をきちんと押さえたうえで、チーム全体に発信して推進力を持って実行されているのは「FINAL FANTASY Record Keeper」の強みのひとつだと思います。とてもうまくいったと私自身も思っています。

K.S:軍師だけでは、戦には勝てない(笑)。

Y.M:おっしゃる通りです。司令官がいないと。

S.K:過去に一度、Y.Mさんに「プランナーをやってみれば」と話したことがありますよね。でも、「いや、私はここが良いんです」と首を振っていて(笑)。やはり「軍師」タイプなんですよね。

Y.M:元々、研究や真理への追求が好きなので……。タイトルがどういう風に成長していくのか、そのなかでユーザーさんがどういう動きをするのか、しっかり見ていたいという部分があります。自分の好みをひたすら追求して、周りを巻き込んで……というタイプじゃないのもあります(笑)。そういうことは、S.Kさんのような人にやってもらいつつ、私は私の得意分野でバリューを発揮した方が良いのかなと。

K.S:良い関係性ですね(笑)。

S.K: ユーザーさんは何十万人、何百万人もいらっしゃるので、面白いものを提供してリアクションをもらうということを、直接的に1番感じられる。ダイナミズムをもっとも感じられるのは、ゲームアナリストなのかなと思います。

K.S:ちょっとしたミスも大変なことになりますしね(笑)。

S.K:その話、します(笑)? 

一同:(笑)。

S.K:話を戻すと、やはりうまくいったときの爽快感は格別ですよ。ユーザーさんのために考え抜いてうまくいったときは、それこそカタルシスのような気持ち良さがある仕事かもしれないですね。

Y.M:私は小さい頃、ゲームに夢を見させてもらいました。それでゲームの仕事についたところもあるのですが、やはり次世代の人たちに同じ体験をしてもらって、同じきっかけを与えられるようなゲームを作りたいというのは、心がけていますね。

S.K:いろいろな業界でアナリストをされている方がいると思います。先ほども言いましたが、ゲームアナリストはダイナミックで、扱うデータ量も膨大です。なおかつ、DeNAは先進的なことに取り組もうという会社で、AIやVR、ディープラーニングへのアプローチもすでに始まっています。もちろんたくさんのアナリストが関わっていますし、ゲームに興味がある人は、その面白さを感じられる環境がありますね。

Y.M:新しいチャレンジができる環境であることは間違いないですね。次世代のゲーム体感を作っていきたいと思っている人にとっては、きっと楽しい会社だと思いますよ。

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