ディレクター座談会

我々ディレクターという仕事は、まさに火付け役

DeNA入社前に抱いてたイメージとそのギャップ

S.S(ディレクター)

S.S:僕は以前、コンシューマーゲーム開発を中心に行っているデベロッパーにいましたが、実はDeNAとはそのときに一緒に仕事をしたことがあります。当時を振り返ると、DeNAの方はかなりロジカルに考えられているという印象が強かったです。いちいち資料が分厚いとかも(笑)。
ただ、説明を具体的にしてくれるので、ほぼ感覚でゲームを作っていた当時の僕としては、非常に勉強になりましたね。そして実際に入社したらそういう人ばかりなのかと思っていたんですが、自分と同じように「ずっとコンシューマーゲームを作ってきました」という人も多かったのには正直驚きました。

S.I:正直DeNAには特に何か事前に強い印象を持ってなかったですけど、コンシューマーゲーム開発の会社にいた頃に比べると、まぁ動きが早くて驚きましたね。5倍くらいのスピードを感じます。たとえば、コトが決まるのに1週間位はかかるかなぁ、と思っていたことが1日ないし半日くらいで決まって動き出す。そこが入ってみて1番びっくりしたところですね。

K.S:僕も以前はコンシューマーゲーム開発中心ですが、スマートフォン向けゲーム開発の経験もありました。ただ、サービスの運営まではやったことはなく、運営に長けている会社に入りたくてDeNAに来たのですが、確かに早いですよね、動きが。それと、一つひとつの施策に関しても、ただ単純に面白いだけじゃなくて、その面白さについてロジカルに考える人が多いなと思いましたね。

M.Y:僕もS.Sさんと同じで、入社する前からDeNAとは仕事をしていました。当時はプラットフォーマーの印象の方が強くて、ものすごいデータがたくさんあるんじゃないか、成功法則を持っているんじゃないかなど、そういう期待を胸に抱きながら入社しました。

S.I:実際どうでした?

M.Y:思っていたほどのものすごい成功法則はなかったです(笑)。というより、ちょうど入社した頃はスマートフォンへの過渡期になっていて、ゲームアプリもたくさん出始めてきた時期だったので、そういう意味で、当時のDeNAは勝ち方を模索しているという感じでした。

S.I:コンシューマーゲーム開発時代は新規を立ち上げることや、新しいことをやるのはものすごく苦労しました。それに比べるとDeNAのスピード感はすごい。「こんなことをやりたいです。こういう座組で、予算はこれくらいで、これくらい狙えますが、どうでしょう!?」と言うと、「うん、とりあえずやってみよう」となる。熱量が高ければチャンスもある。案外ドライかと思っていたらそうでもなかったのは良い意味でギャップでした(笑)。

K.S:そう、『ロジカル=ドライ』ってわけじゃないんですよね。熱意の使い方をロジックに乗せている。僕らはもっと気持ちだったり、触ったときにユーザーさんがどう感じるかという肌触り感で判断してましたが。

S.S:肌触り感というのも重要だけど、それも乗せたうえで、ロジックを併せて作っている。

K.S:そう。どっちの人もいるので、そこが面白いところかなと思いますよね。

M.Y:共通しているのは、『ロジックも重要だけど、実は奥底にあるパッション』ですよね。まだまだ上っ面の状態のロジックの話をしつつも、「でもこれがやりたいんだ!」と伝えると、一緒にロジックを考えてくれる人が突然現れたりする。

S.I:それは、ありますね(笑)。

M.Y(ディレクター)

M.Y:ロジックが伝わらないからダメかというと、決してそうではなくて、熱意があれば汲み取ってくれる仲間がいる。そういう奥深さがDeNAにはあります。

S.I:僕がイメージするDeNAのゲーム開発のベースになっているものは、たとえば何かを相談した時に「S.Iさんの思考を理解した感じで作ってみました」ではなくて、「とりあえず幅広く作ってみたので自由にやってみてください」となる。「おお、マジかと(笑)」と。組み合わせ次第でやりたいようにやれてしまうようなものが、かなりのスピードで出てきたりする。そういうところかなと思っています。

S.S:運営があるから対応力が身についているんでしょうね。

S.I:そうですね。それで、「こんなこともできるんだ!」という新しい発見もある。とにかくアウトプットの幅が広い。

S.S:それと、個々の持っている責務と権限が強いなと思います。
特に企画なのですが、いちプランナーがゲームを作っているとき、売上に影響するような大きな部分の決定は承認プロセスが上の方まであることが多いこともあると思うのですが、運営をするならそのテンポじゃ無理なんですよね。だから個々が戦略を持って、尚且つこういうコンテンツをやりたいからやる、ということを即決めて即打てる。だからこそ責任意識が強いんですよね。自分がやることに対して危機感をちゃんと持っていて、「うまくいってるけど実は問題が潜んでいるんじゃないか」という疑いの目を常に持っている。「この当たり方はこんな問題が潜んでます」と水を差してくれる人もいて、しかもそれが的確なんです。

S.I:本当にみんな、よく考えてる。

K.S:そのあたりは『振り返り』がきちんとあるのが大きいのかもしれないですね。

S.S:スマートフォンで展開する場合は作っている人と運営する人が同じケースも多いから、そこの持ち方が違いますよね。

M.Y:ゲームって、当たるも八卦当たらぬも八卦という、水物感というか、出たとこ勝負みたいな部分がありますよね。でも僕は、なにか当たるための方程式があるんじゃないかとずっと思っていたんです。DeNAが面白いのは、これを「絶対あるでしょ」という前提で話をしてくれるんですよ。本当にそんな方程式があるかどうかなんてわからないですけど、そういうの、すごく嬉しいですよね。「なにかあるんじゃないか」と一緒に探求してくれる姿勢というか、仲間がいるというか。

S.I:田川さん(株式会社DeNA Games Tokyo(※1) 代表取締役社長 田川啓介)から言われたのは、「感性で考えるところをロジックで上書きしようとする人間が多いです」と。感情の揺らぎとかも、うまいことロジックでいけるんじゃないか、とか。その領域を乗り越えようとしている。僕らがコンシューマーゲームを作っていた頃は、ぼやっと、「売れればいいなぁ」という感じだった部分。

K.S:ものづくりは商品づくりという意識は高いですよね。

M.Y:そういう意味ではやっぱり『探求者』が多かったですね、入社してみて一番感じたのは。漠然とした「面白いゲーム」という感覚を解き明かそうとしている。

一同:それはたしかにありますね。

DeNAに入社して出会ったスゴい仲間

S.I(ディレクター)

S.I:分析部に超人がいますね(笑)。
考えることが細かくて、その構造も多層的なんですが、一見すごくバカらしいことに対してもとことん真面目。「裏付けは全部僕が考えて、落とし穴があったら潰しておきます」と言ってくれる人がいる。

M.Y:良い意味で頭の回転が異常すぎて、ついていけない人がいますね(笑)
資料とかもらうんですけど、説明なしには絶対にわからない時などもあります。で、話しをしてみると、「5年先位まで面白いゲームってこういうことだよね」っていう感覚の部分を見える化しちゃってるんですよ。

S.S:ゲーム内のイベントなども、まだ世に出てないイベントが起こす可能性のある問題の議論が先に始まっている(笑)。「いや、それ出てないから、まだわかんないじゃん」って思うこともありましたが、「過去の実例で蓄積されているから、恐らくこういう現象にぶち当たる」というのが彼らの中にはあって、そこで対策会議がすでにされてるんですよね。僕らにとっては不思議な感覚ですよね。DeNAは一端の考えと自分なりの動きをする人が多いので、速度感も良く、育成するスキームもうまく回っているからこういう人が出てくるんだと思う。

S.I:それとは別なんですが、あるとき若手のプランナーが「面白いの考えたんで時間ください」って言ってきたと思ったら、「やっぱりあと12時間ください」と急に言われたことがあって(笑)。

M.Y:よめないですね(笑)。

S.I:それで12時間後、「今の仕様全部ダメだと思うんので、こっちに変えたほうがいいです!」ってドンッと持ってきた。僕はその12時間ずっと待っていたんですけど(笑)、これが、「いけるな!」ってものだったんですよね。そこからすぐにブレストしてまとめて、エンジニアに「全部変えたいから、これ実装して欲しい」ってお願いしたら、「確かにこっちのほうが面白いですね、やっときますよ」って感じで、もう翌日にできあがっていたっていう(笑)。

一同:おお~(笑)!

S.I:意志をもって動いて、「ちゃんと考えてくるから時間をくれ」と、年齢やキャリアに萎縮せずに言えるし、それが間違ってないし、言ったからには責任を持って最後まで仕上てげて来る。DeNAでは『自走できる』という言葉をよく使うけど、一定それはカルチャーなんだと思います。

K.S:確かに。トップダウンが多いと周囲がなにも言わなくなるっていうのが多いですけど、たとえば若手から意見が上がって来るというのは全然OKですし、上がって来たものに対してみんながフラットに話せる風土というのは大きいですよね。

M.Y:サービスに対する感度も高くて、ユーザー感覚をきちんと持ち続けて理解しているからですよね。『俺の好きなゲーム』みたいな部分がエゴイスティックに出る部分もそれはそれで悪いわけではないんですが、視点がひとつ高いんですよね。だから一緒にやっていて面白い。成長が早いっていうのも、そこに繋がるのかもしれないですね。

K.S:因みにみんな中途入社だと思いますが、中途入社者に関しては何かあります?

S.I:僕らが入った頃は、コンシューマーゲーム開発出身者はそんなにいなかった。

K.S:確かに、でも最近はコンシューマーゲーム開発出身者も多いですよね。

S.S:コンシューマーゲーム開発出身者の人がDeNAに入ると、DeNAのカルチャーに影響されて変化していくんですよね。変化した結果、前にいた会社とは違う動き方をしたり、過去に問題視していた動き方をやめるようになったりして来ますよね。それが様々な問題への解決策にもなっていて、機能している感じもありますよね。

K.S:むしろ、変えないとキツい(笑)。基本、楽しい職場ですよね。とにかく人が多いから、いろんな人と話せますし。

M.Y:DeNA Quality』(※2)の中の一つに、円の表面積ってあるじゃないですか。

一同:「球」ね(笑)!

M.Y:言い間違えた(笑)。「球の表面積」!

S.I:円の表面積じゃペラッペラじゃないですか(笑)。

M.Y:本当ですね(笑)。
で、「球の表面積」の「球」って、表面が滑らかなボールをイメージするんですけど、実はものすごい尖っているブツブツがあって、結果すべすべになっているみたいな「球」のイメージなんですよ、僕にとっては。尖っている人が並んでいて、そこにタッチすると、自分の知らない尖っているところに刺さる。衝撃を受けつつ、慣れつつ、自分も尖っていくんですよね。

S.I:「ここで勝てるんじゃないか!?」というところに対して、自信を持って挑んでる人が多い。
そういうのはいつも新鮮ですし、ウェルカムですね。僕らもコンシューマーゲーム開発をしてきた経験という一定の武器はあるので、その辺を突き合わせてノーサイドになったタイミングで「新しいものが生まれている」っていう感覚が、実感として高い。

K.S:いろいろな人がいる故に、いろいろなことができる可能性がある会社ですよね。

ディレクターとして「多様性」のあるメンバーを「融合」させるには

K.S(ディレクター)

K.S:僕は入社して『戦魂』の開発チームへの配属になり、当時は苦戦していたプロジェクトでもあり、それをまとめるところから入ったのですが、そういう仕事は得意だったので、実は楽な面もあったんです(笑)。それに関しては、DeNAの弱点なのかなと、入った瞬間に思いました。そこで、ゲームをどうまとめるか、特に”どう伝えて行くか”という部分に関しては、メンバーを「融合」させるという動きの中では常に意識していますね。

S.S:遊びの根本をどう発想して整理していくかは、今までの経験の積み重ねがあるので僕からチームへ発信して行きますが、運営フェーズに入ったときに「この状態に入ったときはこういう対策を講じる必要がある」っていう部分にすごく勉強させてもらっています。今後も、開発と運営とマーケティングという3つのファクターが密接に「融合」していく形を僕は目指しています。一方で、「融合」とは別に分担というところも必要だと思っています。それぞれ専門特化しているからこそ深掘れるところがあるので、「多様性」と「融合」は両立しておかないと意味がないものになると思います。

K.S:確かにそうですね。開発も、分析もマーケティングも一緒にいるから連携がしやすい。僕もとても良い環境だと思っています。

S.I:「DeNAってそもそもはゲーム会社じゃないから、なんでもできないとダメ!?」って思う人がいるかもしれないですけど、むしろ今までやってきたことを武器として入って来る人が普通に活躍できる。足りない部分はちゃんと補ってくれる仲間がいるし、そのために膝をつき合わせて話してきっちりしたものを作っていけば、自分の思ったことが、運営も考慮にいれたモバイルコンテンツとして世に出る。とりあえずオファーを出せば誰でもまず話を聞いてくれる。飛び込んでいったら受け止めてくれる度量は全員が持っている。あとは巻き込んでいける力さえあれば、2倍にも3倍にも成功の確度をあげていける。自ら融合のために動きさえすれば、尖った人はいっぱいいるから、いくらでも融合できますね。

K.S:だから動かない人はダメですよね。待っていたら、なにも来ないから。

S.I:そうですね。やっぱり自走しないと。

M.Y:融合ということなら、『FINAL FANTASY Record Keeper』(※3)は、エンジニアの中には元々プラットフォーム側の人が作っていたり、UI(ユーザーインターフェース)の人も、元はウェブデザイナーの人が作っていたり、多種多様な人が集められたチームなんです。でも、共通していたのは、いざ「作ろうぜ!」というパッションを見せるとみんなそれにフラットに反応してくれる。でも自分以外の人たちが集まると、自分が考えたり経験して来た以上のもの、他の人の考えや経験を含んだゲームができる、イノベーティブなタイトルができる可能性が高いと思うんです。

S.I:ただ唯一、やっぱり情熱を持って「これ作ろうぜ!」って思うことは必要ですね。我々はディレクターという立場でいえば、まさに火付け役です。

K.S:そこから融合がはじまりますからね。

M.Y:そうですね。

S.S:色々とチャレンジして行きたいですね!

一同:もちろん! チャレンジして行きましょう!


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